あなたは街にいる事にした

大自然と言いつつも、実際には遊ぶものが何もない田舎。

そんなところに一人で行くなんてありえない。

 

一人で歩いてクマでも出たらどうするの？

行かないことにした。

 

 

街での日々は楽しかった。

今日は飲み会。

 

酔っぱらった仲間たちとふらふら路上を歩いてる。

少し飲み過ぎてしまったあなたは歩きながら時々半分寝ているような状態だった。

 

「あはは～～ほら寝てるとちゅーしちゃいますよーーー」

自分が言ったのか、酔った異性がノリで言ったのか、それも覚えていない。

 

その言葉にときめいたのか、目を開いていても何も見えていなかったあなたの目に強烈な光が飛び込んできた。

 

 

あなたは自動車にはねられました。

一人旅をキャンセルして飲みに行ったあなたは「運悪く」付近を走行していた自動車にはねられて死線をさまよいました。
数日後に意識が戻ったあなた。

 

「あれ？動かない。」

首から下が動かない。

 

そして数日後、世界は何らかの事情により滅びた。

街にはクルマという名の猛獣が道路一本だけでも一日数百～数千台走っておる。
人間、自分にとって都合の悪い事は無意識で認知せんからの。

今回、果たして『運が悪かった』のかのぉ？

 

彼ら自身の選択の結果じゃ。
違う世界におるワシが嘆く必要もなかろうて。

 

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